※この記事は2023年3月のノート記事をリメイクした内容です。
少し時事問題というか、思うところもある問題ではあるので今回はちょっとだけセンシティブ。
天皇杯決勝、千葉ジェッツVS琉球ゴールデンキングスを観ていた方から「悪い意味でヤバいね」と連絡が来て、ガラパゴス日本バスケ界のヤバさを知ってる人が増えるのはいい事。という旨の内容をSNSで発信して悪い意味で注目を集めている。
果たしてBリーグはガラパゴス化していっているのか。
今SNS上で話題になっている問題について自分なりに思うところをまとめてみようと思います。
■ガラパゴスとは
そもそもガラパゴスとはどういう意味なのか。念のためもう一度調べてみた。
家電製品やアイデアなどが、日本独自の機能やサービス、制度などにこだわった結果、海外では受け入れられにくくなっている状態を、皮肉を込めて表現した言葉です。長年外来の生物が侵入せず、生物が独自の進化を遂げた「ガラパゴス諸島」が語源です。日本でのサービスを使いやすく設計した携帯電話を「ガラケー(ガラパゴス・ケータイ)」と呼んだりします。
コトバンクから引用
独自の進化を遂げたガラパゴス諸島が語源となっているが、日本では皮肉を込めて使われることが多い。
SNS上で話題になっているものに関しても「Bリーグ=悪い意味でガラパゴス」と直接的で大皮肉なものになっている。
どういった意味でガラパゴスなのかどうかは文字数制限があるSNSだと難しいのと発信元はDVDを買わせようとしてくるので「なんだかなぁ」という感じである。
■国ごとに技術と文化を感じられる
個人的にはスポーツにおいてガラパゴスというのは良い意味に感じている。
2つのポジティブな事例があるからだ。(自分的に印象的だった事例)
①日本プロ野球とスモールベースボール
②イタリアのサッカー
この2つだ。
日本の野球に関しては、国際大会でしばしばスモールベースボールと表現されることがある。セフティーバントや送りバントや盗塁、など機動力を絡めた小回りのきいた総合野球という感じだ。そもそもスモールベースボールとはアメリカのドッカンバトルベースボールからの目線で
「そんなチマチマした野球はクールじゃないね、ホームランを狙わなきゃね」という意味合いが込められているように思う。
だがイチローの活躍により徐々にスモールベースボールの価値が認められ、現在ではスモールベースボールがあまり批判されることはなくなった。
イタリアのサッカー(カルチョ)に関しては
2006年のカルチョスキャンダル(審判買収etc)以降、何度も何度も「終わった国」としての烙印を押されている。かつての栄光があった国という感じだ。
イタリアの国内リーグはサッカーのトレンドから遅れることが多く、各国トップリーグから取り残されてしまうきらいがある。変化に対してどこか不寛容で遅れた文化をより尖らせていくある種ガラパゴスな、お国柄であることも確かだ。
しかし時代遅れと思われたイタリアは尖らせた文化を武器に2006年のワールドカップ制覇、2021年の欧州選手権優勝と結果を残している。
2つに関連するのは「トレンドに左右されない芯の強さ」だ。
一過性のトレンドは聞き心地のいい「フレーズ」であるため何かそんな気がすることも確かで外圧の影響もあり「フレーズ」が独り歩きしてしまう。
ツイスト打法、5レーン理論、ポジションレスバスケetc..…
だがそれに惑わされて語られることもなくなった根幹となる技術、マインドについておろそかにする事こそが何よりも愚かなことだと思う。
根幹となる部分を大事にしながら各国、各リーグで独自の技術と文化が成長していくことはスポーツ全体にとっても素晴らしいことのはずだ。
■Bリーグ技術面と戦術理解
正直に言おう。
Bリーグの技術面と戦術理解に関しては、アメリカとは天地の差がある。
そして身体能力の差よりも基礎技術の差が大きいように思える。
ドリブルを突く強さだったり、パスのスピードだったり、ビッグマンの敏捷性だったり。
中でもシュートの精度はかなり違いがある。
身体的に外的影響を受けないフリースローはNBAの平均が75%前後にもかかわらずBリーグの平均は68%程度。
身体能力が関係しないFTこそBリーグに頑張ってほしい所だが、そこすらも劣ってしまうのが現状だ。
戦術理解の面でも日本はまだ共通理解が低いように思う。例えばNBAレベルだと当たり前のことが、日本ではまだ新しい考えとして輸入されたものばかりであり、各コーチもまだ勉強中みたいな戦術も多くある。かく言う私もNBAの解説動画なんかを見て「すげー!」と思いながら勉強している。
まぁ、まだリーグ創設8年目なのでこの辺りは徐々に深まっていくはず。77年目のNBAとはレベルの差があって当たり前。コーチもまだまだ発展途上の段階だしね。選手の落とし込みにも時間がかかるよ。
逆にBリーグ創設8年目でイランや中国に勝てるようになったのはめちゃめちゃすごいと思う。成長速度が牧隼利なみだ。
このまま続けていけば大丈夫。暗黒時代に比べたら未来は明るい、というより眩しいくらいだ。
あっ、あとBリーグで面白いというか興味深いのは、必要に迫られてビッグマンへの対応が上手くなってしまった所。
キングスのクーリーやA東京のサイズ、横浜のスコット、川崎のファジーカス等強力なビッグマンがインサイドで幅をきかせているため、必要に迫られてビッグマンへの対応力がグングン上がっていってるのはBリーグならではの面白さだと思う。
ガラパゴス化したリーグで鍛えられた日本人選手が国際大会で
「こいつらちっちゃいくせにインサイドめっちゃ守るやん!」
と思われる日もそう遠くないのでは、と思ったりもする。
Bリーグ観戦者は是非とも注目してみてほしい。
■ガラパゴス?あらいいじゃない(*^^*)
ガラパゴス上等。
日本のスモールベースボールのように、イタリアのカルチョのように文化という牙を尖らせて、BリーグJAPANは世界を驚かせる準備をしているという訳だ。
世界中のビッグマン達が
「日本人めっちゃインサイドのディフェンスGoodね!」と感じ
「なんやこの攻撃!古くさいけど逆に守りにくい!」と感じてくれる様になって欲しい。現在では時代遅れと思われている古臭いミドルレンジシュートの価値も再評価されてしてるしね。
バスケ先進国アメリカ組、八村、渡邊、富永とアメリカで研鑽してきた馬場雄大、そしてガラパゴスBリーグ組の融合はかつてない化学反応を起こしパリ五輪でスパークしてくれる。
ガラパゴスの価値は使う人の能力次第なのだ。
■まとめ
ガラパゴスだっていいじゃない。島国だもの。
技術面と戦術面は大きく改善する余地あり!コーチの育成も急務!
日本人選手は相手ビッグマンをチームで守るのが上手い!
ガラパゴスを馬鹿にするやつは能力不足か中2イキリ
トム・ホーバスHCがガラパゴスの価値をW杯で証明してくれる
あとBリーグは外部に委託してスタッツをもっと見やすくしてくれ。 平たく言うとバスナビDBさんに報酬出してスタッツ集計再開してもらってくれ。
スタッツは戦術を決める上でも文化を深める上でも非常に重要よ。
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