2年ぶりにフル代表に復帰した琉球ゴールデンキングスの今村佳太(191cm/SG)。今村のポジションである2番ポジション、SGは日本代表でも層が厚く激しいメンバー争いが予想される。
しかしホーバスHCのコメントや今村本人のインタビューから今までの招集とは違った責任のある役割が与えられることが判明している。
今回は今村佳太のこれまでの活躍と今後代表で求めらること、そして五輪メンバー入りするために必要なことをまとめましたので是非最後まで読んでいただければと思います。
八村塁が代表入りするかどうかを議論すると話が広がって論点がずれてしまうので今回は考えません。八村塁の代表入りのテーマについては別の機会に書きます。
■今村佳太 経歴
今村佳太 1996年1月25日(28歳) ※2024年2月現在
191cm 92kg
ポジション SG/SF
長岡市立東北中学校(新潟)
新潟県立長岡工業高校 (新潟)
新潟経営大 (新潟)
新潟アルビレックスBB(2017年~2020年)(新潟)
琉球ゴールデンキングス(2020年~)(沖縄)
代表歴
2022年 2023FIBAW杯予選window2
2023年 アジア競技大会
■今村佳太シーズンスタッツ
■日本を代表するウイングに成長
今村佳太は中学、高校、大学、そしてプロまでずっと地元の新潟に身を置いてプレーをしてきた。琉球に移籍を決めたことがターニングポイントになったと本人も語っているくらい地元を離れるのは大きな出来事だったと思う。
キングスに移籍してきた当初の立ち位置は「田代キャプテンの控え兼シューター」。2020年は田代(188cm/SF)が絶対的なスタメンであり、今村は控えとして活躍。状況が変わったのは翌シーズン。2021-22シーズンの序盤に田代がシーズンを棒にふる大けがをしてしまったことで控えだった今村が繰り上げでスタメンに。
このシーズンは田代の代わりというよりもシューターとしてプレーしていた。現在は3ポイントと2ポイントの割合が50%ずつと素晴らしいバランスでプレーしているが当時は得点の約6割が3ポイント。シューターの役割をこなす中で他のプレーの向上も要求されるシーズンだった。
2022-23シーズンはエースとしてチームをけん引。持ち前のシュート力に加え、鋭いドライブからレイアップ、ストップ、そしてアシストなどオールラウンドな活躍を見せキングスを悲願の初優勝に導く。
日本を代表するウイングプレーヤーとして成長した今村佳太はアジア競技大会で日本代表に選出。W杯の後の大会でW杯戦士たちは選出されていないが、いわゆるパリ候補生の主力として代表復帰できたことは大きな一歩となった。
そして2024年2月、フル代表(海外組抜き)としてFIBAが主催するアジアカップ予選にチームメイトの渡邉飛勇と一緒に選出される。
沖縄W杯の時は候補メンバーにすら選ばれなかった今村が、シーズン終了後にパリ五輪を迎えるタイミングで代表に選出されるのは大きな意味を持つ。
求められる事を遂行することが出来るかあるいはそれを越えていけるか。日本を代表するウイングプレーヤーになった今村佳太がどんな活躍をするか楽しみで仕方ない。
■ホーバスHCはハンドラーとして評価
今村佳太の強さはドライブからレイアップに行ける強さにある。スクリーン(味方をついたてにしてディフェンスを邪魔するプレー)を使うピック&ロールの上手さはかなり向上していて
・そのままドライブするか
・ビッグマンを使うか
・外にパスするか
の選択を間違えないしひとつひとつの精度も上がってプレー途中で「あっやっぱりこっちの方が確率高そう」ってプレーを変更する技術もある。
その技術を支えているのがドライブレイアップの強さ。今村のドライブが強力なためディフェンスは後手の対応を迫られるため、今村がどのプレーを選択するか考える余地が生まれるわけだ。
以前2022年にホーバスHCに招集されたときはシューターとして使われていた。須田(名古屋D)の控えとして呼ばれた様なプレーに終始したが、今回はハンドラーとしての期待をされていることからキングスで普段やっているようなプレーが求められていることが分かる。
確かアジア競技大会前の練習でホーバスHCから「意外とハンドラー出来るんだね」と言われたって今村本人がインタビューで言っていて今回はハンドラーとして使う感じだから、ホーバスHCの見方は確実に変化している。
ハンドラーとしての役割を高水準でこなすことが出来れば、シューターとしてもハンドラーとしてもスラッシャーとしても出来る稀有な選手として評価を得ることが出来ると思う。
■ライバルはテーブスと西田か
筆者たつまるは今村がパリ行の切符をつかむにはハンドラー兼シューターの枠しかないと思っている。
少し整理しよう。
ホーバスJAPANW杯メンバー
【選手】※12名
公益社団法人日本バスケットボール協会より引用
2 富樫 勇樹 (PG / 167cm / 千葉ジェッツ)
5 河村 勇輝 (PG / 172cm / 横浜ビー・コルセアーズ)
6 比江島 慎 (SG / 191cm / 宇都宮ブレックス)
12 渡邊 雄太 (SF / 206cm / フェニックス・サンズ)
18 馬場 雄大 (SG / 195cm / -)
19 西田 優大 (SG / 190cm / シーホース三河)
24 ジョシュ・ホーキンソン (C・PF / 208cm / サンロッカーズ渋谷)
30 富永 啓生 (SG / 188cm / ネブラスカ大学)
31 原 修太 (SF / 187cm / 千葉ジェッツ)
75 井上 宗一郎 (PF / 201cm / 越谷アルファーズ)
91 吉井 裕鷹 (SF / 196cm / アルバルク東京)
99 川真田 紘也 (C / 204cm / 滋賀レイクス)
シューターとしての枠には絶対的な存在として富永(ネブラスカ大)がいてサブに原(千葉ジェッツ)と西田(三河)が入ってる。予選でずっと呼ばれて確定と思われていた須田(名古屋D)はメンバー落ちしている。
須田すらも落選してしまうのだからシューター系の選手はまず選ばれないと思っていい。ここはついてはシューター系としてブレイクしてる細川も厳しいと思う。須田がメンバー入りするなら富永が怪我をするくらいしか思いつかない。須田も細川も素晴らしい選手なのは間違いないが富永が強すぎる。アメリカの大学D1で試合を支配するレベルの天井を持つ選手に勝つのは難しい。
となれば狙える枠はシューター+一芸の原の枠 か コンバート西田の枠になる。
原は外国の代表選手にもフィジカル的に引けを取らないことを証明してシンデレラボーイになったが、テーブス海(A東京)を落としてまで代表入りした西田はW杯ではPGとして機能せず、ホーバスHCが折れて2番起用した経緯がある。
今村が狙える枠は西田の枠。コンバートなのかサブハンドラーなのか分からないけど色々こなせる便利屋さんとして代表へ滑り込む可能性は大いにあると思う。
前回W杯は実質2枚のPGで代表を構成して西田がサイズの面をカバーする予定だったが、西田をPG起用できなくなってしまい富樫と河村にディフェンスで負担がかかってしまう面があった。
それでいうと、ここへきてテーブス海の調子が上がってきているので純粋にPGを3枚編成にする可能性もある。
ただテーブス海には3ポイントが無いため3ポイント40%を目標に掲げるホーバスJAPANにはそぐわないかもしれないが、テーブス海のドリブルハンドリングは魅力。テーブス海が調子を維持し続ければテーブスも今村の枠争いのライバルになると思う。
ホーバスHCが西田のようなハンドラー兼シューターの選手を選択するか、3人目のPGとしてテーブス海を選択するか・・・
今村がハンドラーシューターとして活躍できれば西田枠に滑り込むことは十分に現実的なことだと思う。
■埋もれてしまう可能性
2022年の代表招集で今村は役割をスムーズにこなすことに終始した印象がある。
ホーバスHCのシステムを理解するには時間が足りないので常連組とは練度に差があり自分の良さを出し切れなかった。3ポイント1/5。あとはひたすら外でボールを回すことを大事にしてしまった様な内容だったのを覚えている。ディフェンスは良かった。スラムダンクの集中した時の沢北(隙がねぇ)みたいな雰囲気も出てたし最高だった。
話がそれたが、今村が代表に溶け込もうとチームの流れを汲んで前みたいに埋もれてしまわないか心配である。
まぁ先ほどのリンク先のインタビュー内容で「周りを巻き込んで自分の強みを出しつつペースを崩さずにやりたい」「消極的になって何も見せられないのが一番良くない」と語っているので、外一辺倒になることは無いと思うし、得意のペイントアタックは多くみられるんじゃないかな。
代表のメンツを見てみるとこの2年で一番成長した選手は今村だと思うので、Bリーグ王者琉球ゴールデンキングスのエースとして暴れてほしい。
■終盤戦で価値を高めよう!
代表戦が明けたらリーグ戦はいよいよ終盤戦に突入する。
パリへ行くために今村に求められるのは
・チームを勝たせる活躍をすること
・外国籍選手とのマッチアップに負けないこと
シンプルにこの2つ。
チームを勝たせるには今まで通りのプレーをしてパフォーマンスが向上していけば問題ない。終盤戦に差しかかってくるので集中力が増してプレーの精度も上がってくるはず。特にCSの今村は「CS爆誕ニキ」として爆発するので心配ないはず。
2つ目が結構重要です。
外国籍選手とのマッチアップに負けないこと。
ここはチームとしてもそうであってほしいし、何より日本代表として世界と戦うためには外国籍選手とのマッチアップで負けている様では代表に招集しにくい。
幸い近年のBリーグにはウィング系の外国籍選手が多くいるため2m前後の外国籍選手とのマッチアップの機会も多い。EASLでも多くの外国籍選手とマッチアップすることが出来た。
これを経験で終わらせずに、負けない➡勝つ!にレベルアップすると
“ホーバスHC「外国籍選手にも引けを取らないどころか、むしろ今村のほうが優位性を取ってマセンカ?これは・・・・」”
となり、代表入りもかなり近づいてくる。
※ウイング系外国籍選手はロー(琉球)、ビュフォード(島根)、メインデル(東京)、Jジョーンズ(FE名古屋)の様なスピードもスキルもある2m級の選手のことです
終盤戦で勝ちを高めてパリへ行く選手に値することを証明して
いこう!パリへ!
■まとめ
今回のホーバスJAPANの招集はシューターとしてではなく日頃キングスでプレーしているハンドラーとしての評価していることが判明
今村が日本代表に滑り込むには西田枠(ハンドラーシューター)と予想
Bリーグ終盤戦は外国籍選手に負けない活躍が大事!
そしてBリーグ優勝して「優勝チームのエース」として堂々とパリへ乗りこもう!
■放送
2024/2/22㈭ 日本vsグアム BS日テレ/DAZN/TVer
2024/2/25㈰ 日本vs中国 テレ朝系/DAZN/TVer
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